No.89

ビル・クリントン第二期大統領就任演説

1997 年 1 月 20 日

20世紀最後の大統領就任演説において、次世紀にわれわれを待ちうけている挑戦に目を向けてみよう。時とチャンスにめぐまれ、新しい世紀、ミレニアムを迎えるだけでなく、人間の行動においても新しき明るい見通しを迎える、つまりこれからの数十年のわれわれの行き先や性格を決めるだろう機会に立ち会えるのは、とても幸運なことだと思う。われわれは、歴史ある民主主義をいつまでも前途有望なままにしなければならない。約束の地の昔からのビジョンに導かれながらも、新しい約束の地に目を向けようではないか。

アメリカの約束は 18 世紀に、われわれは生まれながらにして平等であるという固い信念から生まれたものである。それは、 19 世紀に保護されながら広まった。その時代にわれわれの国は、西部の果てまで広がり、州の連合を組み、あのひどくおぞましい奴隷制度を撤廃した。

そして、混乱と勝利をへて、この約束は世界の舞台で今世紀をアメリカの世紀へと押し上げたのである。

今世紀とはなんという世紀だったのだろう! アメリカは世界で一番の工業生産力を手にして、2度の世界大戦と長い冷戦において専制政治から世界を守り、そしてふたたび世界の果ての、われわれと同じように自由の恩恵を待ち望む人々のところまで行き着いたのである。


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