「火山ってなんじゃ?」と王さまはいっしょうけんめい暖炉の炎をのぞきこみま す。そこがいちばん火山の見つかりそうな場所だとでも言うように。 「わたし――を――噴きとばし――た――やつ」と女王さまは、まだ息をきらし ていて、あえぎながら言いました。「気をつけて――ふつうに上がってらして―― 噴きとばされないで!」 アリスは、格子を一本ずつ苦労しながら登っていく白の王さまをながめていまし たが、とうとうこう言いました。「まあ、そんな速さじゃテーブルにたどりつくま で、何時間かかるかわかりゃしない。あたしがお手伝いしたほうがずっといいわ、 よね?」でも王さまはこの質問にぜんぜん反応しません。王さまにはアリスが見え もしないし聞こえもしないのは、もうはっきりしていました。 [イラスト: 王さまはあんぐり] そこでアリスは王さまを、とってもそっとつまみあげて、女王さまを持ち上げた ときよりもゆっくりと運んであげました。あまり目を白黒させずにすむようにして あげたかったからです。でも、テーブルに置く前に、ついでだからちょっとほこり をはらってあげよう、と思いました。すごく灰まみれだったからです。 |