「おまえのやったいけないことを全部教えてあげますからね。その一:今朝、ダ イナがおまえの顔を洗ってるときに、二回鳴いたわね。ごまかしてもだめよ、子ネ コちゃん。ちゃんと聞いてたんですからね! え? なんですって?」(と子ネコ が口をきいたふりをします)「ダイナの前足が目に入ったんだもん、ですって? ふん、それはおまえのせいですよ、目を開けてるほうが悪い! しっかり閉じてい れば、そんなことにはならなかったはずでしょ。さ、いいわけはおよし。聴いてな さい! その二:あたしがスノードロップの前にミルクのお皿をおいたとたんに、 スノードロップのしっぽをひっぱってどかせたわね? なに、のどがかわいてた、 ですって? あの子だってのどがかわいてたかもしれないでしょうに。そしてその 三:ちょっとよそ見をしてるうちに、毛糸をぜーんぶほどいちゃったじゃない! これでおいたが三つよ、子ネコちゃん、そしてまだそのどれについても罰を受け てないでしょう。あたし、おまえの罰は、水曜の週までぜーんぶためてあるのよ― ―あたしの罰もそうやってためてあったらどうだろ」とアリスは、子ネコよりは自 分に向かってしゃべりつづけました。 「そうなったら、年末にはいったいぜんたいどんな目にあわされるかな。その日 がきたら、牢屋に入れられちゃうかもしれないぞ。それとも――うーんとそうだな ――かりにその罰がみんな、晩ごはんぬきになることだったとしたら:するとその 悲惨な日がきたら、あたしは一度に五十回の晩ごはん抜きになるってことか! う ん、それならそんなには気にならないわ。そんなに食べるよりは、ぬきにしてもら ったほうがずっといいもん! |