それは煮(に)そろ時(じ)、俊(しゅ)るりしオモゲマたちが 幅かりにて環繰(わぐ)り躯捩(くねん)する頃 ボショバトたちのみじらしさ極(きわ)まり 居漏(いろ)トグラがほさめる頃 「息子よ、ジャバーウォックに用心せい! 噛みつく顎(あご)に、つかむ爪! 呪侮呪撫(ジュブジュブ)鳥にも警戒を、して おそかなき犯駄酢那智(ばんだすなっち)をも避けよ!」 男子、ねれたる妖剣を手にとり かねてより追い求めし恨髄(こんずい)の敵―― そして男子は凡鼓(ぼこ)の木の傍らで休み しばし回想しつつ立ちつくす。 そしてけそかき思いにふけるうちに 炎の瞳のジャバーウォック 憂騒たる森中よりのそり出で 呆拷(ほうごう)しつつ襲(おそ)じむる! |