No.19

それは煮(に)そろ時(じ)、俊(しゅ)るりしオモゲマたちが

幅かりにて環繰(わぐ)り躯捩(くねん)する頃

ボショバトたちのみじらしさ極(きわ)まり

居漏(いろ)トグラがほさめる頃 「息子よ、ジャバーウォックに用心せい!

噛みつく顎(あご)に、つかむ爪!

呪侮呪撫(ジュブジュブ)鳥にも警戒を、して

おそかなき犯駄酢那智(ばんだすなっち)をも避けよ!」

男子、ねれたる妖剣を手にとり かねてより追い求めし恨髄(こんずい)の敵――

そして男子は凡鼓(ぼこ)の木の傍らで休み

しばし回想しつつ立ちつくす。

そしてけそかき思いにふけるうちに

炎の瞳のジャバーウォック

憂騒たる森中よりのそり出で

呆拷(ほうごう)しつつ襲(おそ)じむる!


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