No.19

* * * * * *

  「えらい小さなワニさん
ぴかぴかのしっぽをみがいて
金色のうろこひとつずつを
ナイルの水であらいます!」

「うれしそうににったりと
なんてきれいにツメをひろげて
小さな魚をよびいれます
やさしく笑うその大口で!」

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 「いまの、ぜったいにまちがってるはずだわ」とかわいそうなアリスは言って、目に涙をいっぱいにうかべてつづけました。「じゃあやっぱりメイベルなんだ、そしたらあのちっぽけなおうちにすんで、あそぶおもちゃもまるでなくて、ああ!それにお勉強しなきゃならないことが、ほんとに山ほど! いやよ、決めた。もしあたしがメイベルなら、このままここにいるわ! みんなが頭をつっこんで『いい子だからまたあがってらっしゃい!』なんて言ってもむだよ。こっちは見上げてこう言うの。『だったらあたしはだれ? まずそれを教えてよ。それでもしその人になっていいなと思ったら、あがってくわ。そうでなければ、べつの人になれるまでここにいる』――でも、あーあ!」とアリスは、いきなり涙をながしてさけびました。「ホントにだれか、頭をつっこんでくれないかな! もう一人ぼっちでここにいるのは、すっごくあきあきしちゃったんだから!」


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