No.27

  すぐに、にせのファティマが来ました。アラジンはとびついて、その胸へ、 短刀 ( たんとう ) をつきさしました。
「どうなすったのです。まあ、あなたは尼さんを殺すのですか。」
  お姫さまは泣き声でとがめました。
「これは、尼さんではございません。これは私たちを殺しに来たまほう使です。」と、アラジンが申しました。
  こんなにして、アラジンは二人の悪いまほう使の悪だくみからのがれました。そして、もうこの世の中には、だれもアラジンの仕合せのじゃまをする者はなくなりました。
  アラジンとお姫さまは、長い間たのしくくらしました。そして、王さまがおかくれになった時、二人はとうとう、王さまとおきさきさまになりました。そして国をよくおさめました。いつまでもいつまでもその国はさかえたということであります。


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