「対照的に、そうであったなら、そうであったかもしれず、そしてそうであったとすれば、そうであろう。しかしそうでない以上、そうではあらぬのである。それが論理というもの」とトゥィードルディーが続けます。 アリスはとってもていねいに申しました。「あたしが考えていたのは、森から出るのにどの道がいちばんいいかってことなんです。ずいぶん暗くなってきたし。お願いですから、教えていただけませんか?」 でも、小さな男たちは、顔を見合わせてニヤニヤするだけでした。 二人とも、まったくなりの大きな小学生二人組そっくりだったもので、アリスはついついトゥィードルダムを指さして、「いちばーん!」と叫んでしまいました。 「如何様にも!」とトゥィードルダムは短く叫んで、すぐにぴったりと口を閉ざしてしまいました。 「にばーん!」とアリスはトゥィードルディーに移りましたが、どうせ「対照的!」と叫ぶだけに決まってるわ、と確信しておりまして、まさにその通りでした。 「ちがうだろう!」とトゥィードルダムはわめきました。「人のところに訪ねてきたら、まっさきに言うのは『ごめんください』で、次に握手をするんだぞ!」そしてここで兄弟二人はお互いに抱きあって、それからそれぞれ空いたほうの手をのばして、アリスと握手しようとしました。 アリスは、片方だけ先に握手するのはいやでした。残ったほうが気を悪くするかもしれないからです。そこでむずかしい状況をきりぬけるいちばんいい方法として、アリスは両方の手を同時ににぎりました。次のしゅんかん、みんなは輪になっておどっていたのです。これはとても自然に思えて(と後からアリスは思い出しました)、音楽が流れてきても、まるでおどろきませんでした。音楽はみんながおどっている頭上の木から流れてくるみたいで、どうも(アリスがなんとかつきとめた範囲では)枝がお互いにこすれあって音楽になっているみたいでした。バイオリンと、バイオリンの弓みたいな感じです。
|