「ご自分の話をしてくれるっておっしゃってましたよね」とアリス。「なぜ――『い』とか『ね』とかきらいなのかって」アリスはここのところはひそひそ声で言いました。またネズミが怒っちゃうんじゃないかと思ったからです。 「ぼくのは、ながくてかなしいお話なのです」とネズミは、アリスのほうをむいてため息をつきました。 「たしかに、ながーい尾話(おはなし)ですねえ」とアリスはネズミの尾っぽを見おろしました。「でも、どういうところがかなしいんですか」そして、ねずみがしゃべっているあいだも、それを考えてばかりいたので、アリスの頭のなかでは、お話はこんなかんじになりました。
「いえのなかで出く |