No.18

けれども、アラジンはけっして自分のお金持であることをじまんしませんでした。だれにでもやさしく、 礼儀 ( れいぎ ) ただしくつきあっていました。そして貧乏人にはしんせつにしてやりました。それでだれもかれもアラジンになつきました。アラジンは、また王さまのために、何度も何度も、戦争に行っててがらを立てました。それで、王さまの一番お気に入りの家来になりました。

  けれども、遠いアフリカでは、アラジンをいじめる悪だくみが、ずっと考えつづけられていました。あの伯父さんだといってだました悪者のおじいさんのまほう使は、まほうの力によって、自分が地の下へとじこめてしまった男の子が、あれから助かって、大へんな金持になったということを知ったからであります。そして、おこって自分のかみの毛を引きむしりながら、
「あいつめ、きっとランプの使い方をさとったのにちがいない。おれは、ランプをとり返す方法を考えつくまでは、いまいましくって、夜もおちおちねむることができない。」
と、どなっていたのでありました。
  それから、やがてまた、 しな へやって来ました。そしてアラジンの住んでいる町へ来て、すばらしい御殿を見ました。御殿があんまり美しいのと、アラジンがお金持らしいのに腹が立って、 息 ( いき ) がとまってしまうほどでした。そこで、まほう使は 商人 ( しょうにん ) にばけました。そして、たくさんの 銅 ( どう ) で作ったランプを持って、
「ええ、新しいランプを古いランプととりかえてあげます。」
  町から町へ、こう言いながら歩きました。


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